
Q:遺言書は、どのように書けばいい? どこに相談すればいい?
つれあいが昨年、脳溢血に倒れ、目を覚ますことなく亡くなりました。
私自身は68歳ですが、体は丈夫で、今のところ心配するようなことはないのですが、妻が急死したことで、自分も今は元気でも明日は分からないと、ちょっと先のことが心配になってきました。
子供は、息子が1人、娘が2人で、3人とも家を出て、家庭を持っています。
持ち家なので、年金で十分暮らしていけますが、もし、自分が亡くなったとき、「相続」ならぬ「争続」にならないように、遺言書を書いておいたほうがいいのではと、思うようになりました。財産は土地と家で1500万円くらい、貯金は1200万円くらいしかありませんが、どのような書式で、どのように書けばいいのか、また、どんなところに相談すればいいのか、教えてください。
すぐに書ける「自筆証書遺言」と、公的な「公正証書遺言」がある。
遺言には、いますぐにでも出来上がる「自筆証書遺言書」と、公証人役場に行って作る「公正証書遺言」があります。
自筆証書遺言書は、その名の通り、自筆で書く遺言書です。
どこかに持っていく必要もありませんし、手数料も必要ありません。いますぐにでも、ご家庭で書けてしまうのが便利です。ただし、内容、日付、署名、すべてが自筆でなければなりません(捺印も必要です)。
日付は、そもそもないと無効になってしまいますし、一部でも代筆やワープロで書いた部分があると無効になってしまいます。
また、訂正した箇所には、捺印。どこを訂正したかの付記、付記した箇所にも署名など、こうした方式に不備があると遺言として認められず、無効になってしまいます。
気軽に書ける反面、専門家のチェックもないので、曖昧な表現が遺族に混乱を招くことも。
保管も個人がしますので紛失の可能性もあります。
こんなことはないと信じたいですが、発見者が破棄してしまうことも、偽装される可能性もなきにしもあらずです。
内容についての混乱や、破棄や偽装などのトラブルを避けるためには、生前から家族に遺言を公表し、遺言の存在や内容を、家族全員が把握しておくことも円満解決のひとつといえるかもしれません。
自筆証書遺言を正しく書きたい場合は、司法書士が相談にのってくれます(原則、有料です)。
対して、公正証書遺言は、公的な手続きをとって作る遺言書です。
公証人役場で、証人2人の立会いのもと、公証人に内容を伝えると、公証人が遺言書を作ってくれます。
公正証書遺言書のメリットは、公証人が作るため内容、形式に不備がなく、無効になる心配がありません。
また、保管も公証人役場でしてくれるため、紛失や偽装のトラブルもありません。
亡くなった後の登記なども、公正証書ですぐに手続きできる利点もあります。
公正証書をつくるので、手数料はかかってしまいますが安心といえるでしょう。
なお、遺言書には、財産以外のことに触れても構いません。
亡くなった後、どんな葬式をあげて欲しいのか、どんな人に知らせ欲しいのか、どんな遺影を使って欲しいのかなどを書くこともできます。
また、遺言書は、何度、書き直しても構いません。
気持ちが変わったり、財産の状況が変わった場合は、その都度、書き直すことができます。
書き直す度に、前のものは破棄することが望ましいのですが、万一、複数の遺言書が出てきた場合は、日付が新しいものが有効になります。
遺言については、2010年1月25日更新記事でも取り上げています。
http://www.seniorsmile.net/30_kurashi/33_soudan/q70.html
回答者
ジョアン安倍
プロフィール
都市銀行、経営コンサルタント会社を経て、マネー関係のライターに。取材などから得た現場情報を質問の答えに盛り込んでいきます。ファイナンシャル・プランナーの資格も持つ。主な連載、「佐藤治彦とたまらん子のやさしい経済入門」(「サンキュ!」ベネッセコーポレーション)、「いまどきのマイホーム・マネープラン」(「ニューハウス」ニューハウス出版)など。
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