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<保険・保障>Q:公的な介護保険だけでは不安。「終身介護保険」に入れば安心ですか?

3年ほど母親の介護をしましたが、その間は経済的にも精神的にも、体力的にも大変でした。自分のときは、家族への負担を少しでも軽くしたいと思うのですが、公的な介護保険だけでは心配です。民間の保険会社には、「終身介護保険」があると聞きました。これに入っていれば安心でしょうか。

回答終身介護保険とは、その名のとおり、介護状態になったときに保険金がもらえ、その保障期間は一生涯続くというものです。
詳細は保険会社によって異なりますが、主に共通していることは次の3つです。


保障期間:一生涯
もらえるもの:介護一時金、介護年金(介護年金を受けている間は、保険料免除)
支払い基準:公的介護保険制度で「要介護3」以上と認定されたとき


ただし、大きく異なるのは、掛け捨てか、そうでないか、です。


掛け捨てではないものの特徴は、保険料が高い。
介護状態にならずに亡くなった場合は、「死亡給付金」がもらえる。


逆に、掛け捨てのものは、保険料が安い。
介護状態にならずに亡くなっても、お金は戻ってこない。


たとえば、50歳の男性が加入した場合の例を見てみましょう。
掛け捨てではないソニー生命「終身介護保障保険」では、
保険料:1万5840円(払い込みは70歳まで)
介護年金:60万円
介護一時金:60万円
死亡給付金:300万円(ただし、存命中に介護年金などの給付があった場合は差し引く)


一方、掛け捨てのアフラック「介護MASTER」では、
保険料:7344円(3口加入の場合)(払い込みは一生涯。介護年金給付中は免除)
……上と条件を近くするため3口に。1口なら2448円、2口なら4896円。
介護年金:72万円(3口の場合。1口24万円)
介護一時金:15万円(3口の場合。1口5万円)
死亡給付金:ナシ


上記の例で、お母様と同じ75歳から3年間の介護状態があった後に死亡した場合を比べてみましょう。
ソニー生命なら、
支払い保険料:380万円1600円
介護一時金+介護年金:240万円
死亡給付金:60万円

アフラックなら、
支払い保険料:220万3200円
介護一時金+介護年金:231万円
死亡給付金:ナシ


保険料と給付金の損得だけで考えれば、ソニーは約80万円を損したことになりますし
アフラックなら、10万6800円得したことになります。
日本人は掛け捨てが嫌いとよく言われますが、掛け捨て保険は保険料が安い分、こうした計算をしてみると、意外にも掛け捨てのほうがおトクだったりするわけです。


ただし、保険をこのように、ひとつのケースだけで比べてみるのは危険です。
もしも介護状態にならずに亡くなった場合は、死亡給付金のあるソニー生命のほうが300万円もおトクになりますし、加入した年齢によっても介護年数によっても損得はまったく違ってくるからです。


介護保険を検討する場合は、支払う保険料と介護状態になったときの給付金を、さまざまな例で試算してみましょう。
ちなみに、「国民生活基礎調査」(平成10年厚生省)で最も多い介護年数は「1年から3年未満」の23.7%、次が「5年以上10年未満」の20.0%、「10年以上」の20.0%となっています。つまり5年以上は全体の40%にも及びます。いったん介護状態になってしまうと、長期化してしまうケースも多いというわけです。


保険には全体的にいえることですが、保障は厚いほうが安心に決まっています。しかし、それには保険料というコストがかかってきます。コスト(損得)計算をしながら、どの程度の保障にするのか、加入しないで貯蓄でまなかなうという選択も含め、ご家族で検討してみましょう。

回答者

ジョアン安倍

プロフィール

都市銀行、経営コンサルタント会社を経て、マネー関係のライターに。取材などから得た現場情報を質問の答えに盛り込んでいきます。ファイナンシャル・プランナーの資格も持つ。主な連載、「佐藤治彦とたまらん子のやさしい経済入門」(「サンキュ!」ベネッセコーポレーション)、「いまどきのマイホーム・マネープラン」(「ニューハウス」ニューハウス出版)など。


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| 2008年06月02日 |
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