
<税金>Q:定年退職後に確定申告すると税金が戻ってくる?
昨年、定年退職をして、退職金を受け取りました。勤続年数32年の私の退職金は、2千200万円でした。確定申告をすれば、在職中の給与から天引きされた税金が戻ってくると聞いたのですが、やはり申告したほうがいいでしょうか。
昨年中に退職した方は、確定申告をすると多くの場合、給与から天引きされた税金を戻すことができます。
というのも、会社員の給与からは「このペースで一年間働いたら、このくらいの税金になるだろう」という概算額の税金が天引きされています。通常なら、会社で計算してくれる年末調整で、本来の税額と概算額の税金を精算します。このときに概算額が多いようなら税金が戻ってきますし、概算額では足りない場合は12月の給与から不足分が天引きされることになっています。
昨年末に退職されたということは、この年末調整をやってもらっていないはずです。そこで、自分で確定申告をして、とられすぎの税金を取り戻そうというわけです。
確定申告に退職金を含めるか否かですが、退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合は、退職金から適正な税額が源泉徴収(天引き)されていますから確定申告の必要はありません。
一方、この申告書を提出していない場合は、退職金も含めて確定申告をする必要があります。この場合、退職金からは一律20%の税金が源泉徴収されていますから、本来の税率が20%より下なら税金が戻ってきますが、20%より上ならさらに税金を納めることになります。
なお、退職金には、退職所得控除という優遇制度があります。
勤続年数によって、下の金額を退職金から差し引くことができます。
20年以下 勤続年数×40万円(80万円に満たない場合は80万円)
20年超 (勤続年数-20年)×70万円+800万円
さらに、税額を計算するときは、退職所得控除を差し引いた残額を2分の1することができます。
この方の場合は、勤続年数32年で退職金が2200万円ですから、
(32年-20年)×70万円+800万円=1640万円
(2200万円-控除額1640万円)×1/2=280万円
280万円に対して税金がかかります。
退職金は他の所得と別に計算する分離課税なので、「退職金の受給に関する申告書」を提出していれば、280万円に対して本来の税率10%が適用された28万円の税金が天引きされています。課税関係はこれで完了なので、申告の必要はありません。
退職した翌年には、この確定申告をすることが大切ですが、もう1つ税金関係で注意しなければいけないことがあります。それは住民税です。
会社員のときは、給与から天引きされていますが、退職後は納付書が送付され、自分で納めに行かなければなりません。退職した翌年は、在職中の給与がもとになって計算された多くの場合高額な住民税がやって来ます(6月頃)。退職後の住民税はコタエマス。
確定申告して戻ってきた税金(こちらは所得税)は、住民税の納税資金としてとっておくなどするといいでしょう。
回答者
ジョアン安倍
プロフィール
都市銀行、経営コンサルタント会社を経て、マネー関係のライターに。取材などから得た現場情報を質問の答えに盛り込んでいきます。ファイナンシャル・プランナーの資格も持つ。主な連載、「佐藤治彦とたまらん子のやさしい経済入門」(「サンキュ!」ベネッセコーポレーション)、「いまどきのマイホーム・マネープラン」(「ニューハウス」ニューハウス出版)など。
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