
母の介護 102歳で看取るまで - 読む介護BOOK
女優、坪内ミキ子が綴った母が天寿を全うするまでの6年に渡る介護の記録
著者:坪内ミキ子
出版社:新潮社(新潮新書223)
新書本:206ページ
価格:714円(税込)
雲井浪子として、宝塚一期生として華やかなスターだった母は、プライドが高く、90歳を越えてもおしゃれで、かくしゃくとしていた。ところが、1997年8月、96歳の時、階段で転んだのをキッカケに、寝たきりになってしまう。それから102歳で天寿を全うするまでの6年間の介護記録だ。それまで介護とは無縁だと思っていた娘の坪内ミキ子さんは女優として仕事をしながら介護生活に突入。その悪戦苦闘の記録が、日本の演芸史、芸能史、社会史を織り交ぜながら、ていねいにつづられている。坪内ミキ子さんといえば、早稲田大学在学中に女優デビューし、かつてワイドショーの司会も務めた聡明な女性。シェイクスピア研究で著名なかの坪内逍遙の孫でもあり、お嬢さまの雰囲気をたたえている。そんな彼女が、「わがままな老婆」になりはてた母に腹を立てながらも、快適な介護環境をつくろうと、走り回る姿は読んでいてつらくなるが、思ったほど暗さはなく、母への思い、家族への愛がしみじみ伝わって、読後感はさわやかだ。
スポンサードリンク
| 2008年02月26日 |

