
介護保険の手続きの流れ
■ケアマネージャーにケアプランを立ててもらう
要介護1~5と認定された場合、介護サービスを利用するには、どんなサービスをどれぐらい受けるかという介護サービス計画「ケアプラン」を作らなければなりません。また、要支援1・2と認定された場合は「介護予防ケアプラン」を作ります。
ケアプランがなければ1割の自己負担扱いにはなりません。要介護の場合は、いったん全額を払い、申請して9割を戻してもらうという償還払いになります。要支援の場合は全額自己負担です。ですから、ケアプランは必ず必要。本人や家族が作成し、市町村に届け出て確認を受ける方法もありますが、ケアプランの作成には専門知識も必要なので、専門家に依頼するのが現実的です。
要支援1・2に認定されたら、指定された地域包括センターに連絡をとりましょう。本人や家族と面接し、保健師が中心となって、どんな支援が必要かを分析し、「介護予防ケアプラン」を作成していくことになります。次に説明する要介護1~5の場合と同じように、外部のケアマネージャーに作成を依頼することもできますが、この場合も責任者は地域包括センターです。つまり、要介護認定の場合は都道府県が担当するサービスとして「ケアプラン」の作成が行われますが、要支援の場合は市町村が担当するサービスとして「介護予防ケアプラン」を作成するのです。
■相性の良いケアマネージャーを捜そう
ケアプランを作成するプロが「介護支援専門員(ケアマネージャー)」で、略して「ケアマネ」と呼ばれています。ほとんどのケアマネは「指定居宅介護支援事業者」に所属していますので、市町村で交付される「指定居宅介護支援事業者*」のリストから探すことができます。
*指定居宅介護支援事業者・・・・・・ケアプランの作成を行う事業所として介護保険の指定を受けた事業所。在宅介護支援センターや訪問介護などのサービス事業者、特別養護老人ホームなどの施設が指定を受けています。
ケアマネージャーは本人や家族と相談してケアプランを作成するだけでなく、それぞれのサービスを提供する事業所や介護保険施設との連絡調整や、適切なサービスが提供されているかどうかの確認、介護保険料の計算など、介護保険に関するあらゆることに対応する専門職です。
ケアマネージャーのよしあしによって、ケアプランにも差がでます。いいケアマネージャーに出会うためには「自宅に近いから」などひとつの利点だけにとらわれないことが大切です。
チェックポイントとしては、きちんと利用者の話を聞いてくれるか、専門知識が豊富か、経験年数はどの程度か、担当が多すぎて通り一遍の対応しかできないという怖れはないか、自分の所属する事業所のサービスばかりをすすめないかなどがあげられるでしょう。もちろん、相性のよしあしも重要です。
介護・支援認定を受けたあと、指定居宅介護支援事業者に連絡する時に、最初から1軒にしぼらずに、何軒か電話して話を聞いてみましょう。また、すでに介護保険を利用しているご近所さんに評判を聞いてみるのもいいでしょう。
■ベストのケアプランを立てるために
いくら経験豊富で熱心なケアマネージャーでも、すべてお任せではいいケアプランはあがってきません。人によって必要とするサービスは違います。どんなサービスを望んでいるのか、希望をはっきりと伝えましょう。
ただ、初めて介護保険を利用するなら、どんなサービスが受けられて、どの程度の負担金がかかるのかは分からなくても当然です。はじめにどんなサービスを利用することが可能なのか、全部教えてもらうのが得策です。そのなかから、必要度合いの高いものを絞り込み、プロと相談して、予算などに応じて組み合わせていけばいいのです。
できあがったケアプランは、必要に応じて変更を依頼することもできます。ケアマネージャーや担当者に相談しましょう。
満足するケアプランができあがったら、それぞれのサービスを提供する事業所との契約し、サービスの開始です。
■要介護1~5と認定された場合に利用できるサービス。
居宅介護支援サービス
居宅介護支援
ケアマネージャーによるケアプランの作成、およびサービス提供確保のための事業者等と連絡調整等。
訪問サービス(事業者自宅を訪問するサービス)
訪問介護(ホームヘルプサービス)
ホームヘルパーが訪問。入浴・排泄・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事、生活等に関する相談と助言その他必要な日常生活上の世話をする。
訪問入浴介護
自宅を入浴車等で訪問。浴槽を持ち込んで、入浴の介護をする。
訪問看護
看護師などが訪問。療養上の世話または診療の補助などをする。
訪問リハビリテーション
理学療法士や作業療法士が訪問。心身の機能維持・回復や日常生活の自立を助けるために必要なリハビリテーションを行う。
居宅療養管理指導
医師や歯科医師、薬剤師などが訪問。療養上の管理や指導をする。
通所サービス(日帰りで利用できるサービス)
通所介護(デイサービス)
デイサービスセンターなどで、入浴・排泄・食事等の介護、生活等に関する相談と助言、健康状態の確認その他必要な日常生活上の世話と機能訓練などが受けられる。
通所リハビリテーション(デイケア)
介護老人保健施設、病院、診療所で、心身の機能の維持回復と日常生活の自立を図るために必要なリハビリテーションが受けられる。
短期入所サービス(短期間施設に宿泊できるサービス)
短期入所生活介護(ショートステイ)
特別養護老人ホームなどの施設に短期間入所し、入浴・排泄・食事等の介護その他の日常生活上の世話と機能訓練などが受けられる。
短期入所療養介護
介護老人保健施設、介護療養型医療施設などの施設に短期間入所し、看護、介護と機能訓練その他の医療、日常生活上の世話などが受けられる。
福祉用具の貸与・販売
福祉用具貸与
日常生活上の便宜を図る用具や機能訓練のための用具で、日常生活の自立を助けるもの(車いす、歩行器、介護用ベッドなど特殊寝具など)を借りることができる。
要介護1の場合は、原則として、手すり・スロープ(両方とも工事をともなわないもの)、歩行器、歩行補助杖のみの貸与。
特定福祉用具販売
入浴用のいすや腰掛け便座など、貸与になじまない福祉用具の費用が支給される。
住宅の改修
居宅介護住宅改修費
転倒やすべり防止、移動を円滑にするための比較的小規模な改修について住宅改修費が支給される。具体的には、手すりの取り付け、段差の解消、床や通路の材料の変更、扉の取り替え、洋式便器への取り替えなど。
その他
特定施設入居者生活介護
介護付老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム等で、入浴・排泄・食事等の介護や生活等に関する相談と助言、その他の必要な日常生活上の介護、機能訓練、療養上の世話が受けられる。
地域密着型サービス(市町村が独自に指定・監督しているもの)
夜間対応型訪問介護
夜間の定期的な巡回訪問または通報により、ホームヘルパーが自宅を訪問し、入浴・排泄・食事等の介護生活等に関する相談と助言、その他必要な日常生活上の世話をする。
認知症対応型通所介護
認知症の人が日帰りでデイサービスなどに通い、入浴・排泄・食事等の介護、生活等に関する相談と助言、健康状態の確認、その他必要な日常生活上の世話と機能訓練などを受けられる。
小規模多機能型居宅介護
通所サービスなどを中心に、本人の心身の状況や希望に応じ、訪問や泊まりを組み合わせ、入浴・排泄・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事、生活等に関する相談と助言、健康状態の確認、その他の日常生活上の世話と機能訓練などを受けられる。
認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
認知症のため介護を必要とする人が、少人数で共同生活する住居で、入浴・排泄・食事等の介護、その他の日常生活上の世話と機能訓練などが受けられる。
地域密着型特定施設入居者生活介護
入居定員29人以下の小規模な介護専用型特定施設入居者生活介護施設で、入浴・排泄・食事等の介護や、生活等に関する相談と助言、その他必要な日常生活上の介護、機能訓練、療養上の世話などが受けられる。
地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
入居定員29人以下の小規模な介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)で、入浴・排泄・食事等の介護、機能訓練などをはじめとした、利用者がその有する能力に応じて自立した日常生活を営むための支援が受けられる。
施設サービス
指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
入浴・排泄・食事等の介護、機能訓練などをはじめとした、利用者の能力に応じて自立した日常生活を営むための支援が受けられる。
介護老人保健施設
病状が安定していて、リハビリテーションや看護・介護を必要とする人が在宅復帰を目指す施設。理学療法士または作業療法士が必ず配置されている。
指定介護療養型医療施設
長期にわたる療養を必要とする人が対象の施設。医師や看護婦が他の施設よりも多く配置されている。
■要支援1・2と認定された場合に受けられるサービス
訪問サービス(事業者が自宅を訪問するサービス)
介護予防訪問介護(ホームヘルプサービス)
ホームヘルパーが訪問。入浴・排泄・食事等の介護、自分ひとりするのは困難な調理・洗濯・掃除等の家事、生活等に関する相談と助言、その他必要な日常生活上の世話をする。
介護予防訪問入浴介護
入浴の介護が必要な場合、浴槽を積んだ入浴車で自宅を訪問し、入浴の介護をする。
介護予防訪問介護
看護師などが自宅を訪問。療養上の世話または必要な診療の補助をする。
介護予防訪問リハビリテーション
理学療法士や作業療法士が訪問。心身の機能維持・回復や日常生活の自立を助けるために、診療に基づき、リハビリテーションをする。
介護予防居宅療養管理指導
医師や歯科医師、薬剤師などが自宅を訪問。療養上の管理や指導をする。
通所サービス(日帰りで利用できるサービス)
介護予防通所介護
デイサービスセンターなどで、入浴・排泄・食事等の介護、生活等に関する相談と助言、健康状態の確認、その他必要な日常生活上の世話と機能訓練など「共通的なサービス」を受けられる。目標に応じた「選択的なサービス」を組み合わせることもできる。
介護予防通所リハビリテーション
介護老人保健施設、病院、診療所で、心身の機能の維持回復と日常生活の自立を図るために、診療に基づいて必要なリハビリテーションなど「共通的なサービス」を受けられる。目標に応じて「選択的なサービス」を組み合わせることもできる。
通所サービスで受けられる選択的なサービス
・運動の機能向上
転倒や骨折の防止、老化による運動機能の低下を予防・向上させるために、理学療法士などを中心にして、ストレッチ、有酸素運動、簡易な器具を使った運動などを行う。
・栄養改善
低栄養とならないように、管理栄養士を中心に栄養や食事についての相談、指導などを行う。
・口腔機能の向上
歯科衛生士などが歯磨きや入れ歯の手入れ方法や、食事を飲み込む機能の訓練などを行う。
短期入所サービス
介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
特別養護老人ホームなどの施設に短期間入所し、入浴・排泄・食事等の介護その他の日常生活上の支援と機能訓練などが受けられる。
介護予防短期入所療養介護
介護老人保健施設、介護療養型医療施設などの施設に短期間入所し、看護・介護と機能訓練その他の医療、日常生活上の世話などが受けられる。
福祉用具の貸与・販売
福祉用具貸与
日常生活上の便宜を図る用具や機能訓練のための用具で、日常生活の自立を助けるもののうち、手すり・スロープ(両方とも工事をともなわないもの)、歩行器、歩行補助杖を貸与。
特定福祉用具販売
入浴用のいすや腰掛け便座など、貸与になじまない福祉用具の費用が支給される。
住宅の改修
居宅介護住宅改修費
転倒やすべり防止、移動を円滑にするための比較的小規模な改修について住宅改修費が支給される。具体的には、手すりの取り付け、段差の解消、床や通路の材料の変更、扉の取り替え、洋式便器への取り替えなど。
その他
介護予防特定施設入居者生活介護
介護付老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム等で、入浴・排泄・食事等の介護や生活等に関する相談と助言、その他の必要な日常生活上の介護、機能訓練、療養上の世話が受けられる。
介護要望サービス計画(ケアプラン)の作成
介護予防支援
地域包括支援センターの保健師等によるケアプランの作成、およびサービス提供確保のための事業者等との連絡調整等。
介護予防認知症対応型
介護予防認知症対応型通所介護
認知症の人が日帰りでデイサービスなどに通い、入浴・排泄・食事等の介護、生活等に関する相談と助言、健康状態の確認、その他必要な日常生活上の世話と機能訓練などを受けられる。
介護予防小規模多機能型居宅介護
通所サービスを中心に、本人の心身の状況や希望に応じ、訪問や泊まりを組み合わせ、入浴・排泄・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事、生活等に関する相談と助言、健康状態の確認、その他の日常生活上の世話と機能訓練などを受けられる。
介護予防認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
認知症で要支援2に該当する人(要支援1では利用不可)が、少人数で共同生活する住居で、入浴・排泄・食事等の介護、その他の日常生活上の世話と機能訓練などが受けられる。
