
Q:認知症の義母が大声を出して、ありえない事を訴えるようになりました。
寝たきり・認知症の義母を介護しています。最近は、昼夜を問わず大声を出すようになり、私が「どうしたの?」と部屋を訪ねると、「誰かが私を呼んでいた」、「これからお客さんがくる」、「知らない男性が、部屋に入ってきた」など、トンチンカンな返答をするばかりです。
なぜ、ひっきりなしに大声を出したり、ありえない事柄を訴えたりするのでしょうか?
いわゆる“ボケ”とも違うようですが、それも認知症のせいなのでしょうか?
認知症の特徴の一つに、[譫妄(せんもう)]という症状があります。ありもしない声が聞こえたり(幻聴)、いるはずのない人物やモノが見えてしまうこと(幻視)などです。他には、「○○さんに怒られる!」とか「誰かが、私の悪口を言っている!」などの、錯覚した被害感情や怒りに駆られてしまう場合もあります。また、そのような症状が、夜間になって特に顕著になることを、特別に[夜間譫妄(やかんせんもう)]と呼びます。
いずれも、認知症のためにやむを得ず、様々なものを見たり感じたりする症状なので、ご本人が不安や怪異を訴えられた場合でも、「ありえない」「騒がせないで」など、ご本人の“感覚”を否定し、ストレスを煽るような対応は控えましょう。むしろ、「怪しい人は、もういませんよ」、「お客さんは、もう少し後に来ますよ」など、ご本人の世界を共有した上でのフォローが好ましいと思います。
そして、水分や栄養の不足も譫妄の引き金になりますので、精神的なケアだけでなく、水分補給などの身体的ケアにも、気を配って下さい。
不安や寂しさから譫妄に及ぶケースも多々ありますので、日中はお互いの目が届く所で一緒に過ごしたり、デイサービスなど一人の世界に籠らない場を得るためのサービスを利用されたりするのも良いでしょう。夜間は、ご本人が寝つくまで、側にいてさしあげるのも効果的ですし、就寝前の水分補給も重要です。
また、あまり大声の回数や訴えが、昼夜を問わず多くなり、ご家族の生活にも障りが出てくるようでしたら、ご本人の苦しみを緩和するためにも、医師による診断・処方をお勧めいたします。
回答者/社会福祉主事 佐藤弘一郎
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