
Q:認知症の義母についつい声を荒げてしまいます
71歳になる義母は去年の秋頃から物忘れがひどくなり、この春認知症と診断されました。ごはんを食べている途中に、ふっと食べていることを忘れて、お茶碗を落としたり、病気とは分かっていても、つい「ダメじゃない!」と声を荒げてしまいます。そうするとショボンとしてしまい、私も言い過ぎてしまったことを反省します。これだけは、いってはいけない言葉とかがあれば、教えてください。
例えばもしあなたが腰痛で苦んでいる時に「なぜ、腰が痛いの!」と言われたり、風邪で寝込んでいる時に「なんで熱なんか出すの!」と怒られたら、どうでしょうか?そのあまりにも理不尽な言い方に、きっと悲しんだり怒ったりしますよね。認知症の方々も同じです。
認知症とは、様々な疾病などにより脳の機能が衰えることで、記憶や行動などに“やむを得ず”支障が生じてしまう病気です。
物忘れや散漫(我々から見て)な言動は認知症という病気の症状なのです。ですから、それに対して叱責したり、非難しながら注意を与えても、意味がありません。それどころか、かえってストレスが生じ、認知症を悪化させてしまう場合もあることを理解してください。
脳の機能は衰えても、私たちと同じように感情は豊かに息づいています。気持ちを表現することが苦手になったとしても、TPOに合わせることが難しくなっていても、本人なりに絶えず考え、気づき、思いつき、一生懸命に暮らしているのです。ですから、どのような場合でも、『頭ごなしの叱責』や『指導的で高圧な言動』は、控えましょう。同じ状況で声を掛けるにしても、
例1.「まだ終わらないの?早く食べてね!」
→「あと少しね。体のためにも、たくさん食べてね!」
例2.「何で汚れた下着をタンスに隠すの?汚いじゃない!」
→「その下着、預かってもいい?みんなのと一緒に洗いますよ」
など、言い方を少し変えるだけで、お互いの気持ちや行動が、良い結果へ向かうことも多いのです。相手の言動を否定せず、共に考えるという姿勢を示すことで安心感を与え、認知症の進行を遅らせることや、行動障害の緩和につながることもあるのです。
確かに日々、介護を続けられる方々のご苦労も相当なものがあるとは思いますが、“穏やかなコミュニケーションこそ最良の薬”と考え、言葉を発する前に一呼吸おくなどして、できるだけ落ち着いた言葉掛けを心掛けて欲しいと思います。
回答者/社会福祉主事 佐藤弘一郎
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