
Q:おむつの着用をどう進めていいか分からない
二世帯住宅で夫の両親と暮らしています。義父は90歳ですが、まだ元気で、今週3回デイケアサービスを受けていますが、最近、トイレが間に合わずに粗相をしてしまうことがあり、おむつの着用を進めたいのですが、どのように切り出していいか分かりません。
排泄に関することは、個人の尊厳に最も大きな影響を及ぼすことだけに、慎重な対応が求められます。本来は、個人で密やかに処理して然るべき排泄行為を、他者に支援してもらうことには、大変な羞恥心(恥ずかしさ、情けなさ)や罪悪感(自分の排泄物を、他者に触れさせる申し訳なさ)を伴い、本人に強いストレスを与えます。それが、今後の食欲や活動性の低下など、生活全般に直接的な変化をもたらすケースも少なくありません。
[失禁=紙オムツ]といった一元的な結びつけは、かえって好ましくない場合もあるのです。
失禁には様々な原因がありますが、加齢のために体の機能が鈍り、(1)動作が遅くなって、トイレまで間に合わない(2)括約筋(お尻の筋肉)が弱くなり、漏らしやすくなってしまう…といったことであれば、まずは、
■環境の整備
トイレに近い部屋に、自室を移す。
自室に、ポータブルトイレを設置する。
■本人の排泄パターン(トイレに行きたくなる時間帯)を把握し、適時にトイレを勧める。
などの対処を、お試ししてはいかがでしょうか。
また、一概に常時紙オムツを着用するのではなく、日中など介助を多く受けられる時間帯であれば、
■紙パンツの着用を勧める
など、極力、本人の違和感が少なくなるような工夫が、好ましいでしょう。
いずれにせよ、排泄に関するケアに何らかの変更を考えたい場合は、事前に、担当のケアマネジャーや主治医への、ご相談をお勧めします。
オムツの着用を開始することで、定期的(早朝,夜間も含めた)なオムツ交換など、家族の介護負担が増える可能性もあり、それに対する新たな支援(ホームヘルパーの派遣など)の追加など、ケアプラン全体の見直しが必要な場合もあります。
また、長年 履き慣れた普通の布パンツから、紙パンツ・紙おむつに変わることは、それらの履き心地への違和感から、強い着用拒否につながることもあるので、サイズ・種類の選定には、専門職からの助言が役立つことも多いようです。
本人への説明に際し、家族からのアプローチだけでは不安…という場合は、ケアマネジャー等の介護関係者にも同席してもらい、助言や提言を得ながら相談を進めることも、本人のより良い理解が得られるうえで、効果的です。
いずれにせよ、粗相をしてしまい、最も深く傷ついているのは、本人であることを決して忘れずに、家族や関係者が一体となって、優しい対応と丁寧な説明に努めていただくのが望ましいと思われます。
ここでは皆様の介護についての疑問や悩みにお答えします。
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