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Q:1日中車イスでTV鑑賞しかしない母のお尻に大きな傷ができてきました…。

 74歳の母のことで相談です。認知症は無く、歩行が不安定なため家の中でも車イスを使っています。トイレにも自分で移れるので、あまり介護は必要ではないのですが、朝、ベッドから起きると車イスに乗り、1日中、テレビ鑑賞と居眠りばかりを繰り返しています。「寝るときはベッドで…」と勧めても聞き入れませんし、その他 テレビ鑑賞以外のことは一切したがりません。とにかく、起床から就寝までの間は、車イスの上なのです。

 この頃は、お尻に抉(えぐ)れたような傷ができ、痛みを訴えます。寝る前に市販の軟膏を自分で塗っているようですが、傷は次第に大きくなっているようで、心配です。

回答 「お尻に抉(えぐ)れたような傷ができた」とのことですが、恐らくは褥瘡(じょくそう=床ずれ)の浅い段階かと思われます。褥瘡は、寝たきりの状態だけに発生するわけではなく、同じ姿勢を長時間とり続けていれば、容易に生じ得るものです。“褥瘡”といいますと聞き慣れない言葉ですし、“床ずれ”と表現すると何となく軽い響きがありますが、それは皮膚の壊死が進んでいく、恐ろしい症状なのです。正しい対処をしないでいると悪化が進み、場合によっては骨にまで抉れが深まる危険さえあるのです。それに伴う痛みの激化と、患部からの感染症も懸念されます。


 “褥瘡”は、皮膚の潰瘍※(かいよう)です。必ずしも、同じ部位への長時間の圧迫だけが原因ではなく、栄養や衛生の状態も関与して発生および悪化する場合もあり、決して、擦り傷や切り傷と同類ではないのです。ですから、「ただの傷だから、そのうちに治る…」などと、軽視してはいけません。早期の発見と適切な治療が重要ですので、まずは受診されることを強く お勧めします。


 また、“1日中 車イスの上”そして“テレビ鑑賞と居眠り以外のことは一切したがらない”という生活パターンも、決して好ましいとは言えません。危険の無い範囲で、立ち上がったり姿勢を変えたりする習慣をつけると共に、趣味や外出など、テレビ以外のものにも関心を持ってもらい、活動性の向上を通した生活改善を図ると良いでしょう。車イスに低反発クッションなどを敷き、お尻への加重を軽減することも、効果的です。
 

※潰瘍(かいよう) = 皮膚や粘膜などの一部が爛(ただ)れ、崩れていくこと。


回答者/社会福祉主事 佐藤弘一郎

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| 2008年02月13日 |
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